チラシやパンフレットから、本格的な雑誌や書籍も、
印刷物に関することは印刷屋さんにお願いをするのが、
今までは当たり前でした。
量や内容が大規模になればなるほど、納品までの工程が
入稿~製版~刷板~印刷~断裁~製本~納品と複雑で、
完成物である紙になるまで多数の人間が関わる必要があり、
それらを取り仕切る人間が必要だったからです。
いってみれば、印刷屋さんが出だしから納品までの
舵取り屋さんなわけです。
以前は、入稿原稿のすべてがアナログでした。
つまり、文字は手書きの原稿。
写真は紙焼きかカラーポジ。
それらをページのどの部分にどう入れるのかを書いた指定紙。
すべてが、手で触れられ、目で見て分かる、アナログなものでした。
今ではDTPが普及し、入稿原稿も大きく変わりました。
つまり、文字はテキストデータ。
写真は画像データ。
それらをページにどう配置するのかが分かるレイアウトデータ。
テキストデータの種類だけで、txt、rtf、doc、htmlでの入稿なんていう場合もあります。
また、OSの違いで改行コードが変わってしまったり、
ワープロのOASISで作られたデータで、
コンバートしなければならない場合など様々です。
画像データですとjpeg、bmp、tiff、epsまでならまだ分かりますが、
png、gifファイルでの入稿という場合もあります。
rawデータでの入稿となると、入稿された方の
好みや意向が分からないとヘタにいじれない場合もあります。
レイアウトデータもクォーク、インデザイン、イラストレーターなどが有名ですが、
ちょっとしたバージョンの違いで文字組がズレてしまったり、
画像が飛んでしまったりすることもあります。
ページメーカーやEdi colorにて入稿することもあります。
フォトショップデータがレイアウトデータとして入稿したこともありました。
さらにOCF、CID、OTFなど書体に関する問題も多岐にわたります。
そのすべてがデジタルデータとして入稿されます。
そのデータが記録されるメディアも今では様々になり、
FD、MO、ZIP、CD-R、DVD-R、DVD+R、DVD-RAM、
最近ではブルーレイディスク。
これらの入稿データは各メディアの中に入っており、
直接触れたり、目でみることができません。
それゆえに、データの知識が無い印刷屋さんに
手持ちのデータを入稿した場合、サッパリ話が通じなかったり、
「こういうデータを入稿したいんだけど、対応してもらえる?」
「今こういうデータを作っているんだけど、問題有りそう?」
と問い合わせても、しどろもどろの返答だったりします。
DTPに詳しい印刷屋さんが求められていると思います。
それか、印刷に詳しいDTP屋さん。
残念ながら、どちらも数は少ないです。
だからこそ、私は印刷に詳しいDTP屋さんになろうと思いました。
紙に関して、
「こういうモノを作りたいんだけど、どうすれば良いかな?」
と、お客様に相談していただけるのが私の喜びです。